International Non-governmental Organization PEACE.(略称:ingo PEACE.、本部:東京都千代田区)は、このたび、駐日ミャンマー連邦共和国大使館を通じ、当団体が提案する「人間の尊厳」を基盤とする民主化支援に関する代表使節団の受入について、ミャンマー暫定政府より正式な許諾通知を受領いたしました。
本件は、当団が本年11月にミャンマー宗教界代表団を招聘して開催した「人間の尊厳」を基盤とする民主化支援フォーラムに端を発するものであり、民間団体と宗教界の協働による対話が、政府との正式協議へ接続した初の事例となります。
民間主導の対話が生み出した新たな進展
当団体が招聘したミャンマー宗教間対話機構(MIDO)代表を中心とする代表団は、日本における一連の会合において、民主化に向けた選挙実施の課題、さらに国民生活の現状を踏まえた民主化プロセスの在り方について、率直かつ建設的な議論を行いました。
その結果として、
「武力や対立ではなく、国民の理解と共に歩む民主的プロセスこそが復興への道である。」という理念が広く共有されました。
宗教界代表団は帰国後、これらの協議内容を暫定政府へ正式に報告し、これを受けて、駐日ミャンマー大使館より代表使節団受入の許諾通知と会談の意向が明確に表明されるに至りました。
CPAC JAPANにおける対話の深化
ingo PEACE. は、今回の正式回答を「民主的対話を進めるための重要な一歩」と位置づけ、関係各方面の理解と協力を得て、12 月に開催された CPAC JAPAN にミャンマー暫定大使を招聘いたしました。
CPAC JAPANにおいて、中澤弘幸(ingo PEACE.会長)は次のように述べました。
「ミャンマーはアジアの中で最も不当な汚名を着せられている国である。」
ミャンマー国内が特殊詐欺組織の拠点と報じられ、人権侵害や治安悪化が強調される一方で、多くの市民は内戦、制裁、貧困に苦しむ“被害者”であるという事実は十分に伝わっていません。また、一部の過激派による選挙への反発が、民主化を求める立場であるはずの人々をも抑圧する矛盾を生み、国全体に不安定なイメージだけが一人歩きしている現状があります。
こうした偏った情報消費の状況を受け、開かれた懇話会では以下の認識が共有されました。
共有された認識(サマリー)
1. 情報が刺激性や政治的便宜性によって消費されやすい時代だからこそ、国内で生きる市民一人ひとりの声に耳を傾けることが不可欠である。~ニュースに載らない「生活の声」こそが国の実像である。~
2. 過去の因縁や立場の相違に囚われ、武力と憎悪の応酬に目を向け続けても未来は開かれない。~それを乗り越えることこそ民主化の出発点である。~
3. 外部からの主張ではなく、「今、この地で生きる国民の祈りと声」を基盤とすることこそ、本来の民主主義の姿である。
4. ミャンマーは現在、民主化へ向けた正当な選挙プロセスの実施が最も求められている国であり、そのプロセスの正統性が最重要である。
アジアの連帯がますます重視される国際環境の中で、報道の断片を超え、ミャンマーの民主化への歩みを丁寧に見つめ続けることは、日本、そしてアジアの未来に深く関わる取り組みであるとの認識を新たにしました。
結びとして、中澤会長は以下の理念を強調しました。
「国民の声を出発点としなければ、民主化は決して実現しない。
私たちは国際社会の一員として、その歩みに寄り添い続ける。」
今後の予定
本年12月、ingo PEACE. は代表使節団をミャンマー暫定政府との公式会談に派遣し、民主化支援に関する陳情書を正式に提出する予定です。
当団体は、国民の尊厳を中心に据えた対話を基盤とし、引き続きミャンマーの民主化プロセスを国際社会と共に支援してまいります。



